自筆証書遺言の作成
自筆証書遺言は、ご自身で手書きで書かなければならない煩わしさがあるものの、費用もかからず、ある意味手軽に書くことができるのが魅力です。
自筆証書遺言の作成手順
1.遺言書を書く道具を準備する
便箋や封筒、ペンを用意します。用紙はこれでなくてはダメ、というものではありませんが、長期の保存に耐えられるものを用意しましょう
2.遺言書の下書きをする
いきなり遺言書を書き始めると、書き間違いや誤字脱字はどうしても起きてしまいます。訂正だらけの遺言書では、格好が悪いだけでなく、訂正方法等を巡ってトラブルの原因ともなりかねません。必ず、下書きをするようにしましょう。下書きの段階で、専門家にチェックしてもらうことをお勧めします。
3.遺言書を清書する
様式に厳格な法律の規定があるので、それを守って書くようにしましょう。以下、書くときのポイントは次のとおりです。
遺言書を書くときのポイント
- 【全文を自筆で書く】タイトル、本文、署名、日付など全て自分自身で記入します。
- 【正確な日付を書く】遺言で日付は非常に重要です。「平成17年11月」としたり、「平成17年11月吉日」としても無効です。きちんと作成日の年・月・日を書きましょう。
- 【住所・氏名・押印する】住所・氏名は住民票どおり記載しましょう。押印も認印よりも実印を使用したほうが、トラブル防止につながります。
- 【封印もきちんと行う】遺言書に押した印で封印し、表側に「遺言書」と記載します。裏側には、「本遺言書は、私の死後、開封せずに速やかに家庭裁判所に提出すること」と記載し、日付、氏名を記し、押印します。
4.遺言書を保管する
様式に厳格な法律の規定があるので、それを守って書くようにしましょう。以下、書くときのポイントは次のとおりです。遺言の保管場所は難しい問題です。自宅の金庫や貸金庫、仏壇、タンスや机の引出しなどが考えられます。しかし、あまり目立つ所に置くと、家族に中身を見られる危険もあるし、かといって、自分にしかわからないところに隠すと、死後遺言書を発見できないことにもなります。保管場所に困ったら、専門家に保管を依頼する方法や、公証役場にもっていき、公正証書にして保存する方法も考えられます。
公正証書遺言の作成
公正証書遺言の作成手順
1.証人を2人に依頼する
遺言が自分の意思に基づいてなされたかどうかを確認してもらう意味で、証人が2人必要になります。友人や信頼できる専門家などに依頼しましょう。ただし、配偶者や自分の子、親などは証人になれないので注意が必要です。
2.公証人との打ち合わせ
直接公証役場に出向きます。通常2~3回公証人と打合せをした後、最終的に遺言書を作成します。その中で、遺言者が遺言内容を説明し、それを踏まえて、公証人が文案を作成していきます。打合せを第三者が代わりにすることもできます。公証人との打合せから実際の作成日までに、次のような書類が必要となります。
遺言公正証書作成の必要書類
- 遺言者の戸籍謄本・印鑑証明書
- 遺言者と財産の譲受人の関係性のわかる戸籍謄本・住民票
- 財産の中に不動産がある場合 不動産登記簿謄本・固定資産評価証明書
3.証人と公証役場に行き、公正証書遺言を作成する
打合せを踏まえて、あらかじめ公正証書として作成された遺言内容を公証人が読み上げて、遺言者本人に内容が合っているかどうかを確認し、遺言者及び証人並びに公証人が署名捺印する方法が、実務上一般的です。
4.原本は公証役場で保管される
完成した公正証書遺言の「原本」は公証役場で保管されます。遺言者本人には、「正本」と「謄本」が渡されます。
公証人手数料
公証人に支払う手数料は遺言手数料11,000円に財産額に応じて下記の手数料が加算されます。
目的の価額 | 手数料 |
---|---|
100万円まで | 5,000円 |
200万円まで | 7,000円 |
500万円まで | 11,000円 |
1,000万円まで | 17,000円 |
3,000万円まで | 23,000円 |
5,000万円まで | 29,000円 |
1億円まで | 43,000円 |
3億円まで | 5000万円ごとに13,000円加算 |
10億円まで | 5000万円ごとに11,000円加算 |
10億円超 | 5000万円ごとに8,000円加算 |
※公証人の手数料詳細は、公証役場でご確認ください。
最後に
また、公正証書遺言作成に必要な書類収集、遺言原案作成、公証役場での打合せ代行、証人手配、公正証書遺言謄本の保管まで、公正証書遺言作成手続全般にわたってお手伝いをいたしております。お気軽にご相談ください。
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