遺言書にどんなイメージをお持ちですか
遺言書というと、多くの人は、映画やドラマのサスペンスを想像するかもしれません。お金持ちの家の主人が残すものというイメージでしょうか。
遺言というと、遺産の指定に注目が集まりますが、それ以外にも遺言書の書けることは色々あります。生前伝えられなかった思いを書くこともできます。
遺言は、遺言者からご遺族への最後のメッセージです。そういう意味からも、遺言書はとっても身近なものだと思います。
遺産相続トラブルを予防する切り札
財産の大小に関らず、すべての人に遺言書の作成をおすすめします。
都心に家があれば土地込みで数千万円の価値があります。「うちは家族みんな仲がいいから大丈夫」と円満に遺産分割ができるように思えても、争いに発展してしまうケースは意外に多いものです。昨今家庭裁判所に持ち込まれている遺産分割争いのうち、3分の2は遺言を書いておけば防げたともいわれているのです。
ただ、遺言書を書いても、すべてが遺言者(遺言を書いた故人)の思い通りになるわけではありません。遺言書に書くことで法的効力が発生することと、あくまで自身の気持ちを述べるにとどまることがあります。遺言書は遺産相続トラブルを事前に防ぐ有効な手段ですが、万能ではないとも言えます。
財産が少なくても遺言書は必要
「遺言書はお金持ちがつくるもの」そう思っている人もいるかもしれません。しかし、現状はそうではありません。
司法統計から、平成28年の「家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件のうち認容・調停成立件数」をみると、遺産額が1000万円以下の割合は33%、さらに5000万円以下になると75%となります。
自宅や土地の場合、相続で複数人の名義にすることはできても、実際に住むのは相続人のなかの1人(家族がいればその家族)です。また、宝飾品や骨董品の場合、ほぼ同じものはなく、それ自体を分けることもできないので、相続人が2人以上いれば貰える人と貰えない人がでてきます。
財産の額もそうですが、分けることが難しい遺産がある場合に、遺産を巡るトラブルが起きやすいのです。特に現金が少なく、遺産の大半が不動産など分けることが難しい財産の場合は注意が必要です。
遺産の多い少ないに関わらず、将来の相続に備えておくことが重要です。
遺言書を作成するメリット
遺言書がない場合、どの財産を誰が相続するか「遺産分割協議」で決める必要があります。ここで重要なのが、遺産分割協議は相続人全員の合意が得られなければ成立しないということです。相続人うち一人でも遺産の相続分について反対すれば遺産分割協議は成立せず、それが原因でトラブルになるケースもあります。遺言書を作成することの最大のメリットは「遺産分割協議」を経ずに、相続手続が完了できることです。
遺産の名義変更には、この「遺産分割協議」が成立したことを証する「遺産分割協議書」が必要です。しかも「遺産分割協議書」には相続人全員の署名と実印での捺印、そして相続人全員の印鑑証明書が添付されていなければならず、これを作成すること自体大変な手間がかかります。 いざというときに、自分の遺産分割で家族に大変な思い、嫌な思いをさせないためにも、遺言を残しておくことが大切です。
「きちんとした遺言書」を
ただ単に遺言書を作成すればいいわけではありません。遺言書の大きなメリットを実現する為には、どうしても「きちんとした遺言書」を作成することが必要になります。
具体的には、自分の財産全般に対して効力のある遺言でなければいけませんし、また相続人の本来有する相続権や遺留分、あるいはその感情の部分にまで配慮した分割内容を工夫した遺言でなければなりません。中途半端に遺言書を作成してしまったがために、かえってそれが元で親族同士揉めたらそれこそ本末転倒なのです。
「きちんとした遺言」を作成しておくことで、本来相続手続で必要となる膨大な数の戸籍謄本の収集や、相続人全員による遺産分割協議書の作成、さらには相続人全員の印鑑証明書の収集といった非常に大変な相続手続の作業をことごとく省略でき、スムーズに遺産名義変更等の相続手続が完了できるのです。
一般的に使われる遺言は2つ
遺言書にはいくつか種類がありますが、一般によく使われるのは、自筆証書遺言と公正証書遺言の2つです。遺言書を作成する場合、公正証書で遺言書を作成することをお勧めしております。なぜなら、公証人が作成する「きちんとした遺言書」が必ず作成されるからです。遺言書の種類と特徴、作成手順をまとめましたのでご確認ください。
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