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遺産分割協議のポイント

遺産分割協議のポイント アイキャッチ画像 遺産分割協議

遺産分割協議を上手に進めるためのポイント

遺産分割は相続人の妥協の産物です

遺産分割が法定相続分どおりにきっちり分けられるケースはあまりありません。不動産やその他の動産など分けられないものほど価値の高い遺産だったりする為です。だからといって、自分の相続権に固執するあまり大事な親族のきずなまで失うことになっては目も当てられません。

遺産を前にするとなかなか難しいかもしれませんが、「相続で得る財産は思いがけず手に入る財産だから、ここはひとつ相続人同士の譲り合いの精神で」という気持ちで遺産分割協議に臨んでいただきたいと思います。

隠し事が災いのもと

故人と同居、あるいは財産管理を行っていた親族が遺産を隠しているのではないか、という他の親族の疑いの気持ちが遺産分割協議で揉める一つの原因となることがあります。遺産の内容を口頭で説明するのみで終わらせてしまうような行為が、このような疑念を他の相続人に植え付けてしまうのです。

たとえ親族同士とはいえ、故人と同居していたあるいは故人の財産を事実上管理する立場にあった相続人は、他の親族に聞かれる前に財産を証拠書類とともに相続人の前でオープンにするぐらいの気構えをもつことが、円満な遺産分割協議のために重要なポイントです。

財産目録を準備しておく

遺産分割協議の際に、遺産がどれくらいあるかわからないと、協議のしようがありません。事前に相続財産目録を作成し、残高証明書その他の根拠資料も準備して、遺産分割協議の際に相続人全員が確認できるようにしておきましょう。

実際に業務でご遺族のもとに伺っても、銀行の残高を正確に把握している人はほとんどいません。預金残高や所有株数などが不正確だと、協議がうまくいかない原因になります。

遺産の価値が明確でないものもあります。不動産や非上場株式、骨董品などです。特に不動産は、固定資産評価額、路線価、市場価格と色々な評価方法があるので、どのように評価するか相続人間で話し合いましょう。

遺産をどう評価するかも相続人全員が合意すれば、どのように評価してもかまいません。評価について相続人間で合意できない場合や評価ができない(価値がわからない)場合は、専門家に評価額を出してもらいましょう。

特別受益と寄与分を考慮に入れる

相続人の中で、結婚資金や事業資金などの名目で、生前に被相続人から贈与を受けていた者がいる場合、「特別受益者」として、その者の相続額が差し引かれます。また、相続人の中で、被相続人の介護をするなど、特別の貢献をした者がいた場合、「寄与分」として、その者の相続額を増加させることができます。

相続で揉める原因のひとつとして、介護に関する温度差があります。介護は非常に大変なものです。介護に関わっていない方は、介護をしていた方に対し、ある程度の配慮を見せると協議がうまくいくのではないでしょうか。

相続人に次のような方がいる場合は注意

遺産分割協議は相続人全員が協議に参加し、合意することが必要ですが、もし相続人の中に次のような方がいる場合は、実際の協議の前にさらに手続きが必要となるので要注意です。

未成年の子どもとその親が同時に相続人となる場合

相続人として未成年の子とその親権者がいる場合、両者は遺産分割において利害が対立することになります。そこで、このような場合には、必ず、その未成年の子の特別代理人の選任が必要になります。
特別代理人の選任手続きは、親族などの中で適任者を特別代理人候補者に推薦したうえで、子の住所地を管轄する家庭裁判所に選任の申立てを行い、家庭裁判所が特別代理人の選任審判を行うことになります。

相続人の中に認知症の方がいる場合

認知症の相続人がいる場合には、遺産分割協議の前に、成年後見人選任の申立をするなどして、認知症の方の代理人となる後見人等を選任することが必要になります。

遺産分割協議という重要な財産に関する決め事に、認知症の方を含めて行うのは、どうしても不公平な内容の遺産分割になってしまう恐れがあるためです。このように認知症などで判断能力が乏しいのにも関わらず後見人等を選任せずに行った遺産分割協議は、無効になったり取消しの対象になったりしますので注意が必要です。

行方不明の相続人がいる場合

遺産分割協議に際して、相続人の中に行方不明の方がいる場合も、手続きが必要になります。

まず家庭裁判所に不在者の財産管理人の選任を申立て、財産管理人を選任します。さらにこの財産管理人が、不在者の代わりに遺産分割協議に参加することで遺産を分割することができます。ただ、遺産分割協議の内容につき、「権限外行為許可の申立」を行い、この許可を得てはじめて遺産分割協議が有効に成立することになります。

7年以上行方不明の相続人がいる場合

不在者の生死も不明で、7年以上の期間が経過している場合には、失踪宣告を家庭裁判所に申立てる方法があります。

この場合、家庭裁判所の失踪宣告の審判により、失踪期間の7年経過時において、死亡したものとみなされますので、相続人から除外されることになります。ただ、この方法は相続人の順位に変動が生じたり、代襲相続が発生したりする可能性もあり、問題を複雑にするケースがありますので、注意が必要です。